お言葉

寬仁親王妃信子殿下

公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会
名誉総裁


女性の健康とメノポーズ協会も年月を経て、公益社団法人となり、フォーラムも30周年を迎えました事は思い深く寿いでおります。


この度、受賞されました皆様に心からお祝いを申し上げます。


3月4日に手術を致すこととなり、今回伺えない事を申し訳なく深くお詫びを申し上げます。


この数年私自身、乳がん、25回の放射線治療、骨折、隅角症による目の手術などが続き、健診の重要性を強く感じるとともに、医療現場が専門性で分かれていることの難儀を深く感じるものでした。


検査から再検査へ、疑問を感じる告知のありかた、治療の方法の決定、そして治療後も残る副作用まで、各科間の連携が十分ではない状況もあり、長く不安な日々が続きました。しかしそのような中で、日本女性医学学会の婦人科医の先生方や整形外科の先生方に相談に乗っていただいたことを記憶しております。


高度に専門化された医療現場の中で、いくつかの疾患や不調を抱えた場合、患者である我々が学んでおくことも重要なのだと痛感いたします。 この協会で学んだことにより、私は心のブレーキを踏むことができましたし、長くお付き合いし信頼できる先生方を存じ上げていたことは、大きな力になりました。 受療において、患者は、自身をまな板の鯉と思わず、自ら学び納得することが必要な時代なのかも知れません。これから10年後、如何に生きているかは誰にもわかりませんが、すべて私自身が納得して進んで行きたいと思っております。


受賞されました皆様方 そしてご参会の皆様 女性医療は勿論進んでいますし、本音を伺うことのできるパートナードクターをもち、自分自身も理解を深めることが大切なことだと存じます。


混乱せず落ち着くためにも、大事な情報を知る努力をいたしましょうということをお伝えしご挨拶と致します。元気に戻って参ります。


メッセージ

高松潔 先生

東京歯科大学市川総合病院産婦人科 教授
一般社団法人日本女性医学学会理事長


第30回「女性の健康と働き方フォーラム」の開催にあたり、ご挨拶をさせていただきます。


女性の健康とメノポーズ協会は1996年より活動をされておられますが、私どもの日本女性医学学会は、「更年期を中心とした実地臨床・病理および、女性のライフステージに応じた健康管理の進歩・発展を図り、もって人類・社会の福祉増進に貢献すること」を目的としており、志を同じくしていることにより、前身の日本更年期医学会の時代からコラボレーションをしてまいりました。


最近でこそ、月経困難症や月経前症候群、更年期障害をはじめとする女性の愁訴とその労働生産性への影響が注目されていますが、貴協会は先見の明をもって、1997年から、女性特有の健康課題の知識と理解、並びにより良い働き方に関する啓発をテーマにフォーラムを開催してこられ、当学会も協力させていただいていることに改めて感謝申し上げます。


一言で女性のQOLと言いますが、様々な因子が関与することは言うまでもありません。


日本女性医学学会ではエビデンスベースでこれらの解明から健康管理の進歩・発展を図っていますが、一方で、実際の対応は一筋縄ではいかず、従来より個別化が必要であることも分かっています。この点で、貴協会では、個々人の多様性に応じて、電話相談やカフェなどの健康支援事業、健康検定などの健康教育事業、また、今回の健康経営アワードなどの健康経営事業と幅広い活動を展開しており、市民、行政、医師・医療機関・企業・マスメディアなどの各分野の連携のハブ的な存在となっていることは、学会がなかなか行うことができないことであり、ありがたく思っております。これからも、女性のQOLの維持・向上とハピネスのために共に活動していきたく、宜しくお願い申し上げます。


最後になりましたが、本日のフォーラムが盛会となりますことを祈念いたしますとともに、ご参加の皆様方が改めて女性の健康とライフキャリアを見直すことを通して、女性の活躍と多様性豊かな職場づくりに貢献する場となりますことを期待しております。


第29回 女性の健康と働き方公開フォーラム 第29回 女性の健康と働き方公開フォーラム